これだけは知っておきたい介護入門

介護のポイント

介護者は生活の中で無理をすることなく、必要な介護をするようにします。
また、健康で相手を思う気持ちと相互の信頼関係が大切です。

☆  介護の原則と介護の心構え

・手は出しすぎず、目を離さず自立の気持ちを大切にしましょう
・心地よさを感じて頂く居場所づくりをしましょう

♥  介護の原則

1、話し上手より聞き上手。(一度にたくさんの事を言わない)
2、寄り添う介護をめざし、一人ぼっちにさせることがないように、会話の時間を十 分に持ち、スキンシップを大切にしましょう。
3、自分でしたいという気持ちを大切にし、少々失敗をしても気持ちよくペースに合 わせて見守ってあげましょう。
4、家族とはいえ人生の大先輩ですから言葉使いに注意し、自尊心を傷つけないように注意しましょう。

♥  介護の心構え

1、何でも相談できる、かかりつけの医師を決めておきましょう。
2、介護は持久戦です。(家族みんなで)介護の分担、特には手抜きや割り切りな ど長続きする方法でしましょう。
3、介護者の健康も大切です。疲れたら休業をとり、自分の時間をつくり気分転換 を図りましょう。
4、決して一人で悩むことなく、福祉サービスや相談窓口を利用しましょう。

☆ 快適に過ごせる環境作りのポイント

住みなれた場所で残存機能を最大限に生かし生活空間を広げられるように整備することが大切です。
そして家庭の暖かさが伝わる人間関係と気持ちのよい部屋にすることが大切です。

♥ 家族の功労者として、家庭のぬくもりを味わえるような雰囲気づくりを心がけます。

♥ 部屋は1階が望ましいです。日当たりや風通しがよく、外が見えて季節を感じられるようにするのがよいです。また、介護される方の部屋を食事部屋の側にすることで声をかけたり、手を貸したりすることが自然にできるようになってきます。

♥ 体温調節が難しくなってきているので、急激な温度の変化に注意します。温度計 と湿度計を置いておくのがよいです。(温度は20度前後、湿度は60%前後に保ち ます)

♥ 換気を心がけましょう。直接冷気に当らないように気をつけましょう。(1日2回くら い窓を開ける換気と、1時間ごとに他の部屋とのドアを開けて換気をするのがよい です)

♥ 自力で起きられない人の場合、寝具はベットがよいです。自力でベットから降りる 場合、ベットの高さは介護される方の状態によって異なります。レンタルを利用し て、状態に適したベットを選ぶことが大切です。

☆ 食事のポイント

食事は誰もが楽しみで、生命を維持して行く上でとても必要なことです。しかし、病気や老化が原因で自分で食事ができなくなってくると介助が必要になってきます。食べ物を小さくしたり、柔らかくしたり、とろみをつけるなど工夫したり、また、家族みんなと食卓を囲んで楽しく食べれるようにすることが大切です。

♥ 朝起きたばかりだとまだ頭がはっきりしていない状態ですが、朝食を食べることで次第に眼がはっきり覚めてきます。

♥ いつも満腹になるまで食べているとかえって眠くなったりすることがあるため、大 体腹八分目くらいにおさえるくらいが丁度よいです。

♥ 一日3回が基本です。何度も食べたり、時間に関係なく食べたりするのではなく朝昼晩の規則正しくリズムに合わせて食事を取ることが大切です。

♥ あまり長すぎると疲れてしまうがあります。大体30分以内に食べ終われるようにリラックスして食事することが大切です。

♥ 食事がかたよるといろいろな問題が出てくるので、一日に30品目の食事をすることが望ましいです。その中でもカルシウムを十分にとること、塩分のとりすぎには注意すること、脂肪の取り方は動物性のものばかりでなく植物性の方とうまくバランスを考えてとることが大切です。

☆ 排泄のポイント

排泄は日常かかすことのできない行為の一つです。介護者は排泄の自立を援助することが日常生活の高上につながります。またプライバシーを守るための環境を整え、介護される方の苦痛や疲労、不安を少なくすることも大切です。

♥ トイレは待てるものではないので、待たせずに援助することが大切です。その人の生活習慣や食事、時間帯などを見計らってこちらから声をかけたり、声をかけやすい環境を作ることが大切です。

♥ 一番気になることは後始末やにおいです。排泄用具をうまく使い、生活環境を整えることでお互い気兼ねや遠慮をなくすことができます。

♥ 高年齢である、男性だからなどに関係なく羞恥心は誰にでも、いつまでもあるということを心がけておきます。

♥ 排泄物を通じてその人の健康状態を知ることができます。観察することで異常を見つけ、早期に発見することができます。まずは正常な状態を知ることが大切です。

♥ 排泄行為はプライバシーの問題に深く関わってきます。介護される方のプライバシーを守り、苦痛、疲労、不安を少なくするための環境を整えることが大切です。

☆ 清潔のポイント

清潔行為は1日のリズムの中に組み込まれているものであり、人が当たり前に行っている日常生活行動の1つです。介護される方の生活リズムを知った上で、それに沿った介護をしていくことが大切です。

♥ 身体を清潔にするということは「血の流れをよくする」、「皮膚の働きを助け感染を防ぐ」、「爽快感が得られる」、「睡眠を促す」といったことにつながります。清潔に保つ方法として「入浴」、「シャワー浴」、「部分欲(手浴・足浴など)」、「清拭」、「口腔ケア」、「見だしなみを整える(洗面、整髪、髭そり、爪きり、耳そうじなど)」などがあります。

☆ 移動のポイント

長時間寝たきりの状態が続くと床ずれができたり、肺や心臓の機能が低下してきたりする可能性があります。こういったことの予防のためにも、まず自分で「動く」ことから始めます。食卓で食事をとり、浴室で入浴し、トイレで排泄し、外の空気にも触れたいという気持ちを持つことが大切です。

♥ 長期間寝たきり状態が続くと、床ずれができてしまう可能性があります。健康な人でも睡眠中25回前後体を動かすといわれています。床ずれとは2時間以上同じ姿勢で同じ所を圧迫されることによってできることがあります。床ずれは寝返ったり座るなど姿勢を変えることで予防することができます。

♥ 長期間寝たきり状態が続くと、心臓や肺の機能が低下してきます。これは座ることで予防することができます。

♥ 食事をするなど、座って食べ物を見ながら自分で口に運ぶと食欲も出てきて、また意欲も出てきます。

♥ 意欲がでてくることで、痴呆の予防や自立心の向上にもつながります。

☆ 認知症のポイント

認知症とは普通に生活できていたのが、何からの脳の障害によって生活に支障が出るほど知的な機能が低下した状態のことです。介護する側は認知症の方の行動を理解しようとし、相手の世界に合わせるということが大切です。

♥ 普通に生活できていたのが何からの脳の障害により、生活に支障が出るほど知的な機能が低下した状態。

♥ 周囲の人との情報のやりとりといったコミュニケーション・人間関係や社会への適応性がとれなくなるため、著しく低下される方が多く見られます。機能を生かす機会を作れなかったり、その機会を閉ざされるといった機会の障害もあります。

♥ 認知症の方は予測できない行動をとってると思いがちですが、私たちがその行動を問題のあることと捉えるために、認知症の方たちもストレスを感じているのではないかと考えられます。そして、その問題を押さえつけようとするため、認知症の方もそれに対して反抗していくと考えられます。認知症の方にとって、それは当たり前の行動という風に考え、介護者も相手の世界に合わせることでその方の行動を理解できるようになります。

♥ ・認知症の方に対する私たちのイメージや認識を変える必要があります。  この人が何も分らない、感じないという訳ではなく、敏感に感じ、想像以上に分  かっていて心は豊かにいろいろな事を感じていると考えます。 ・認知症の方は何もしなくて、何もできないというイメージではなく、できる力を  たくさん秘めていて、ただ力をうまく発揮できなかったり、発揮する機会を  奪われていると考えます。 ・認知症の人は困った言動があるのは、認知症の方なりに意味があり、その言動  の多くは周りの人が原因で作ってしまってると考えられます。 ・認知症は完全にはよくはならないですが、悪くなっていくことを緩やかにすること  はできると考えられます。

♥ 認知症の方を介護されている方へのアドバイス

1 言動を良く観察しよう

2 状態に慣れよう

3 一人の人格として認めよう

4 ペースにあった手助けをしよう

5 やりたい事とできる力をみつけよう

6 快い刺激を与えよう

7 お世話する人の心身の安定を大切にしよう

8 家族みんなで役割分担をしよう

9 ぼけは病気とわりきって付き合い、周囲にも理解してもらおう